山岳信仰・山講・修験道

山岳信仰とは、山岳に宗教的意味を与えて崇拝し、また山岳を対象として種々の儀礼を行うこと。古来山岳は世界各地で精霊、神々、鬼神、仙人、妖怪などの住む場所として畏敬されてきた。さらに祖霊のすみか、天と地を結ぶ軸、宇宙そのものと信じられた。 山岳は修行・祈願・啓示・託宣・祭りなどがなされる場所でもあった。 また、山岳信仰は、木地屋や猟師など山を生業をする人々の拠り所でもあった。

組織形態や他の宗教との習合の状況によって、多様性がある。地域的な共同体の中で運営される形態として、山講やヤマノカミ信仰がある。顕著な霊山を拠点として、密教や道教と習合した形態として修験道などもある。

近代化以降、修験禁止令、廃仏毀釈、神社合祀を経て次第に衰退していったが、現代でも山岳会や自然学校などの源流として解釈されることもある。

むいむいの森では、自然学校、自然経験、キャンプ、登山、トレイルラン、パーマカルチャー、プレイパーク、冒険遊び場などを支持する思想・倫理として、土着の山岳信仰と山講を尊敬して援用する。谷汲村史によれば、揖斐川町谷汲長瀬の地域においても、豊然上人に見られるような山岳修行を行う聖(ひじり)は実在したし、山岳信仰や山講、山の神信仰の実践の証拠が多数残っている。

気候変動への責任として、自然環境を語るとき、SDGsの考え方を相対化しながら、土着の実践を継承する。むいむいの森は、入峰修行のもっとも簡単な入口(易行)を目指している。